大学院留学最初のセメスター その10

2013-12-13

CATEGORIES 大学院留学最初のセメスターby.Katsurayama0 Comments

大学院留学最初のセメスター その9(2013年12月11日)


の続きです。

「その9」では

 

まずは自分の英語力不足を現状として致し方ないものとして認め、留学期間終了までに英語力の最大限のアップを狙う。

周りの人たちと比べて「できない」とネガティブに考えたり、諦めることなく、そのような状況は、周りから学べる機会が多い状況とポジティブに考え、歓迎する。


と、現状に対するあるべき考え方をお伝えしました。

とは言っても、簡単ではないのは分かります。

場合によっては、足手まとい扱いされることがあるかもしれません。

どんなにポジティブに考えようとしても、自分の英語力不足に対して落ち込むこともあるでしょう。

 

大切なのは、きつくてもそこから逃げないこと。

成長していないように感じても、厳しい環境で踏ん張り続ければ、状況は必ず改善していきます。


今後はAさんが挙げたそれぞれの項目に対する対応方法について書きます。

 

① 単語力・表現力

ネイティブでないインド人や欧州人、南米出身者に比べても圧倒的に少ない、カジュアルなものからアカデミックなものまで、強化が必要。

しかしその時間を確保できない。


「その9」でお伝えしたように、Aさんが比較の対象とするクラスメートたちはもともと英語を使ってきた「時間」は、Aさんと比べ、かなり長いと言えます。

ここで大切なのは「期間」ではなく「時間」であるということです。

「期間」ならば、中学から英語を学び始めたとしても10年以上ということになります。

英語を10年も学んでいるのに、英語が十分に使えない ...

なんて話は、ほとんどの日本人が思うこと。

 

違うんです。
ほとんどの日本人が学んできたのは、コミュニケーションのための英語ではないから、英語が使えなくても当然なんです。

またコミュニケーションのために英語を聞いたり、話したりする時間が少なかった(または全くなかった)ので、英語が聞けない、英語が話せないのは仕方がありません。


今、日本において英語教育の開始を小学校の低学年から開始するという流れになっていますが、開始時期を早めて「期間」を長くしても、コミュニケーションのための英語力を養う「時間」を多くしない限り、目覚ましい変化はないはずです。

おっと、話が脱線してしまいました。
「単語力・表現力」の話に戻しましょう。

 

Aさんのクラスメートの、英語ノンネイティブの人たちは、Aさんとは比べものにならないくらい英語を使ってきたはずです。
日常生活において、英語の新聞や雑誌、本などを読んできた人も多いでしょう。

私は10年以上もTOEFLを教えていますが、大学院留学をしようという日本のエリート層の方々の中で日常的に英語を読んでる人はほんの少数派でしかありません。
(それが悪いと思っている訳ではありません。日本に住んでいる限り英語の必要性はほとんどなく、仕事で英語を使っているという人でも、その仕事で日本語を使っている割合の方が圧倒的に多いですよね。)

いいとか、悪いとかそういうものではなく、そこだけ取っても現実として大きな差になります。

この差はすぐに埋められるものではありません。

 

しかし、だからと言って、Aさんの単語力・表現力が「不十分」であるとも思いません。

 

Aさんは日本にいるときに、仕事やアカデミックな場において、常に周りの人が感心するような難しい表現を使っていたわけではないはずです。
また、話に説得力をもたせられるかは、難しめの表現を使っているかどうかではなく、説明の仕方や内容によって決まるものです。

もちろん、Aさんがクラスメートに対して感心するような単語や表現を知っていた方がいいのですが、そのような表現が使えないから、プレゼンが上手くできないということはないはずです。

ポイントは、多くの人が使えるような表現が、使い慣れていないために、いざというときに頭に浮かんだり、口からでてこないこと。

 

だから、英語が不自然になってしまう。

しかし、英語が不自然であると自分で分かっていても、相手に自分がいいたいことが伝わればOKとしましょう。

 

⑤ Speaking

カジュアルな会話はできるが,込み入った表現ができないので非常にシンプルな会話しかできない。

またカジュアルな内容の会話であっても、話すのに気力・体力を要するため、クラスメートと話すことが億劫になることがある。

そして、グループワークやクラスにおけるディスカッションで、意見を言おうとすると、普段の会話の半分以下のスピードでしか話すことができず、文法も正しく話すことができなくなり赤ちゃんや幼児のような片言の英語になってしまう。

→ おそらく、Acedemicなボキャブラリ・表現が、自分の脳の中の、「会話用」の引出にないため、その場で日本語で考えたものを訳そうとするので、文章の構造も表現も英語の形でなくなる。

→ パソコンソフトで無理やり翻訳したような英語になってしまう

→ おかしい、恥ずかしいと思いながら話すので、ますます緊張して変な英語になってしまう


「非常にシンプルな会話」「片言の英語」「変な英語」でも「できるだけ」気にしないことです。
(「『全く』気にしない」というのは無理でしょうから)

「非常にシンプルな会話」「片言の英語」「変な英語」でも、話せる機会があれば、話す。


これが大切です。

話す機会があれば、上手くいかなかった場合、反省できます。

あの時、他にどんな表現が使えたか確認する。
あの時、英語にできなかった表現を調べる。
あの時、言いたかったことを文にまとめる。

反省の際に「確認」「アウトプットのやり直し」を行えば、表現力が上がります。


反省をするためにも、アウトプットの機会をできるだけ多く持つことが大切です。


スポーツでも同じですよね。
最初からきれいなフォームでできるわけではありません。
しかし上手くいかないながらも、繰り返していれば、徐々に形になっていきます。
また上手くいかない理由を考えたり、改善を試みることも大切です。

 

留学中に英語を「マスター」することはありません。

しかし、残りの留学期間に英語力を自分なりにできるだけ高めることはできます。

そのために、どんどん使い、どんどん失敗することが効果的です。

 

周りの人から受ける指摘はありがたいものとして受け入れましょう。
周りが使ったよい表現は、今度自分が使うものとしていただきましょう。

 

またカジュアルな内容の会話であっても、話すのに気力・体力を要するため、クラスメートと話すことが億劫になることがある。


気持ち、よく分かります。

億劫になってもいいと思います。

誰も、常に戦い続けられるわけではありません。

しんどかったら、無理をせず、休みましょう。

 

しかし、クラスでの場など、どうしても逃げられないときがありますよね。
また比較的しんどくない場もあるはずです。

 

そこで、失敗してください。
そして失敗から学びましょう。


断っておきますが、失敗しなければならないという訳ではありません。
失敗しないで英語が使えればそっちの方がいいですよね。

 

でもAさんが英語を使わなければならない状況は、非常にレベルが高いため、Aさんにとっては失敗は避けられません。

しかし失敗を繰り返して、そこから学んでいけば、少しずつ上達し、失敗が減っていきます。
そして、いずれはあまり失敗を恐れることなく、ある程度快適に過ごせるレベルに到達します。

ただ、Aさんがそこまで到達できるかは、残りの留学期間の長さやAさんの今後の取り組みによるでしょう。


今回は、具体的な英語力向上方法に触れるつもりだったのですが、前回に引き続き、心構えや気持ちの話になってしまいました。

 

でも、本当にそこが一番大切なのです。

 

学習方法やコツなどで、Aさんが抱えているような問題がすぐに解決されることはありません。

しかし、困難な現状に対する考え方、捉え方を変えることによって状況は大きく変わります。

 

現在留学中で、自分の英語力の不足に悩んでいる皆さん。
将来、留学した時に、そのような問題に直面すると予測できる皆さん。

 

厳しい、しんどい環境であっても、そこにとどまり続ければ、少しずつ改善していきます。
あなたの英語力は徐々に向上していきます。

 

落ち込む気持ちはよーくわかります。

この「大学院留学最初のセメスター」のシリーズで書きましたが、私もそうでした。

特に、最初の学期は過酷な状況になりやすいので、「大学院留学最初のセメスター」というタイトルで私の経験を書くことにしました。

 

即効薬はありません。
とにかく

 

インプットをできるだけ増やす
アウトプットをできるだけ増やす
アウトプットの失敗から学ぶ

ことを意識してください。
その先には、間違いなく、英語力の大幅な向上が待っています。


Aさんが項目として挙げていた、Reading、Listening、Writing、ノート取りに関しての対応方法は次回に書きます。

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