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【改訂版】多読はTOEFL Readingスコアアップに有効?

2022.03.19

以下、過去記事の書き直しです。

 

先日、受講生の方から

 

「Reading対策として多読を考えているがどうか」

 

というご相談がありました。

 

英語教授法における「多読」(extensive reading)とは、一般的に

 

1.多量に
2.全体的な理解のために(すべてを細かく理解する必要はない)
3.楽しんで(何を読むかは読む人が選ぶ)

 

読むことを意味します。

 

具体的には、多くの場合 Graded Readersという言語・文法が学習者のレベルに応じて易しく書かれた多読用の薄めの英語教材を読むことになります。

 

本屋の洋書のコーナーに薄い本が棚に多く並んでいるのを見たことはありますよね。

 

易しめの表現で書かれた本を多量に読むことがTOEFL Readingのスコアアップに有効か?

 

私からの回答は「人による」です。

 

Readingセクションのスコアがいつも15点以下の方や、英語をいつも日本語に訳しながら理解してしまう人には、Graded Readersなどによる多読をお勧めします。

 

extensive readingでは、基本的にほとんどの表現を自分が知っているレベルのものを選ぶので、多読から単語力の向上はあまり期待できません。

 

その代わり、英文理解への慣れを養い、読むスピードの向上に役立ちます。
易しめの英文でさえ読むのに苦労するという方は、いきなりTOEFLのアカデミックな英文に取り組むよりも易しめの英文を多量に読むことによって、英文が提示する情報そのままの理解に慣れることができます。

 

どんなに易しい英文でも

 

読むのに苦労してしまう
日本語に訳してしまう
返り読みをしてしまう

 

という方には多読をお勧めします。

 

しかし多読を行なっていればTOEFL Readingスコアが上がるというものではありません。

 

例えば、ある大学の国語(現代文)の問題の難易度が非常に高いとします。

 

この難しい現代文の問題が解けるようになるために、小学生用の読み物(日本語)の多読を勧める人はいないでしょう。

 

なぜなら、文章のレベルが全然異なるから。

 

Graded Readersの多読とTOEFL Readingにおいても同様のことが言えます。

 

小学生用の読み物をどれだけ多読しても、難易度の高い現代文の問題の正解率はほとんど変わりません。しかし小学生用の読み物でさえ内容理解に苦労することがあるのであれば、そこからスタートしなければなりません。小学生用の読み物の理解につまずいているようなら大学の教養課程レベルのアカデミックな文を理解できなくて当然です。

 

TOEFL Readingがいつも15点以下になってしまうような方は、多読によって英文処理速度を高められます。

 

ただ最終的にTOEFL Readingスコアアップにつなげるためには(特にReadingで20点以上のスコアを獲得できるようになるには)、多読とは別にTOEFL Readingレベルのアカデミックな英文を理解できるようにしていく作業が求められます。

 

では、アカデミックな英文への理解力を高め、TOEFL Readingで高スコア獲得できるようになるためには何をしていけばよいのか。

 

多くのパッセージが掲載されているTOEFL対策用の単語集に取り組むのも1つの方法です。

 

単語力アップだけではなく、パッセージを通して英文処理速度、文法力、背景知識などの向上も期待できます。

 

または様々なトピックに対して短めのパッセージが多く掲載された洋書をどんどん読んでいくのも有効です。

 

この手の本は、アカデミックな内容であっても本試験よりも易しめのパッセージであることが多いので、本試験の難易度のものに取り組む前の準備として読むとよいでしょう。

 

最後に、当然、TOEFL Reading問題集。

 

やはりTOEFL Readingでのスコアアップを望むなら、TOEFL Readingの傾向に合った問題に取り組むのが有効です。

大学入試の問題で高得点を取りたいのなら、傾向があった問題への取り組みが効果的な対策になるのと同じです。

 

英字新聞や英語の雑誌を日常的にスラスラと読んでいるような、TOEFL対策を始める前からもともとの英語力が極めて高かった方「以外」は、単語集やアカデミックなパッセージを多く掲載した本への取り組みだけでは、Readingセクションで高得点を取るには不十分です。

必ず問題集に取り組みましょう。

問題集では、問題の正解・不正解を通して、パッセージに対する自分の理解を確認できます。

問題のないパッセージへの取り組みだけだと、自分の理解が浅い、理解が間違っている箇所を認識することができません。

 

多量のTOEFL問題に取り組めば、日本語に頼らずにアカデミックな内容のパッセージを理解する機会を多くもてます。

またTOEFL Readingで出題される問題タイプを知り、問題タイプ別の解法を磨くこともできます。

 

まとめます。

 

「多量に、全体的な理解のために、楽しんで読む」多読は、易しめの英文に対して英文処理速度を向上させたり、英文をそのまま理解することへの慣れを養えます。

しかし、TOEFL Readingレベルの難易度の高いアカデミックな文をより理解できるようになるには、本試験同様の内容のものへの取り組みが欠かせません。

またTOEFL問題への取り組みによって、パッセージ理解の確認だけではなく、問題タイプ別の解法を学ぶことができます。

 

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