大学院留学最初のセメスター その3

2011-09-06

CATEGORIES 大学院留学最初のセメスター, 自己紹介by.Katsurayama0 Comments

(2011年9月2日のブログ投稿 「大学院留学最初のセメスター その2」の続きです。)


予告通り、今回は、大学院留学のスタート(2000年1月)と同じ頃に始めたアルバイトについて書きます。


大学院のクラスが始まる前に、テンプル大学日本校からフィラデルフィアの本校に転校してきた人を対象にしたオリエンテーションがありました。

集まったのは私の他に、数人の学生。
オリエンテーションが行われたInternational Programs Officeで学生バイトを募集していると聞き、英語でのコミュニケーション能力を上げることを留学の一番の目的としていた私は即座に手を上げました。


International Programs Officeは、海外からやって来た留学生を受け入れる方ではなく、アメリカ人の学生を海外のプログラムに留学させるための事務局。

テンプル大学は日本校があるように、大学が運営するプログラムが海外(イタリア、スペイン、ガーナ、日本など)に多くあります。
(でもテンプル大学は、実は州立大学なんです。)


私の仕事は、受付。具体的には、オフィスにやってきた学生に要件を聞き、興味がある国のプログラムのパンフレットを渡したり、時にはディレクターとの面談につなぎます。

仕事の中で一番きつかったのは、電話応対。


電話口で要件を聞き、何人かいるディレクターの誰につなぐべきかを判断しなければなりません。

またその際、相手の用件をディレクターに伝える必要があります。


話をしている相手が目の前にいれば、相手が言っていることが分かりにくいとき、相手はこちらがあまり理解できていないことが見て取れますし、ある程度加減して話してくれますよね。

しかし、電話だと話し相手が見えないため、電話口の相手は、手加減することなく話してきます。
バイトを始めたばかりの頃は、バイトの先輩であるアメリカ人の学生(皆20歳くらい)に電話での対応をそれとなく任せることが多かったのですが、受付が私ひとりの時は、当然私が電話に出なければなりません。


ある日、電話が鳴り


“Temple University International Programs Office. How can I help you?”


と電話に出ると、相手は、イタリアからプログラムでのトラブルを伝えてきます。


まくし立てて話す相手の言っていることが皆目見当がつかず、困惑する私。

仕方がないので、ディレクターの一人に相手の言っていることが理解出来ないと報告すると、そのディレクターは私に再度ちゃんと要件を聞くように求めました。


「いや、本当に分からないんだ。電話に出てもらえませんか?なんか大変そうだし。」


という感じで頼む私に対して、彼は私に再度の要件確認を要求しました。


これはやるしかないと腹をくくり、呼吸を整えてから、on holdの電話を取り、焦っている相手が嫌がるであろうことは承知していながらも、再度の説明をお願いしました。

なんとかトラブルの概要を理解し、ディレクター(30代半ば)に伝える30歳の私。
電話の取次さえちゃんとできない自分に対して、ホトホト嫌気がさしました。


このように電話対応は厳しかったのですが、実践的な英語のコミュニケーション能力を向上させるには絶好の機会であることは間違いないく、徐々に進んで電話を取るようにしました。


電話が鳴ると、自分との戦いです。

他のバイトの人に出てもらえれば楽なのですが、自分の英語を試すチャンスを失うことにもなります。
最初のセメスターの頃は、毎回、勇気を振り絞って電話を取っていました。


とは言っても相手が言っていることを理解できないことも多く、再度説明をしてもらう必要があります。

最初の頃は


Can you explain … again?

I’m sorry, could you repeat … ?


のような表現を使って説明を求めていたのですが、あまり上手くいかないと感じていました。

なぜなら、これらの表現を使うと


「私は英語の理解能力が低いので、申し訳ございませんが、再度説明をしていただけますか?」


ということになります。


米国においては、英語能力の低い人は見下されることが多く、相手が優しく言い直してくれるよりも、どちらかというと横柄な態度を取られることの方が多く、よりわかりやすく説明してくれることがあまりありませんでした。


しかしながら、再度説明をしてもらわないことには、自分の理解を補い、ディレクターに要件を適切に伝えることができません。


何か良い方法はないかと考えていたある日、テレビを見ていた私は、一般人の出演者が


You know what I’m saying? 「わかるでしょ」


という表現を繰り返していることに気が付きました。

この You know what I’m saying. は You know. のように口癖で繰り返し使う人が多い表現。


もともとこの表現がよく使われることは知っていましたが、実際に極めて頻繁に使われてるのを見て、私は、多くのアメリカ人が You know what I’m saying. という表現を使うのは、


「自分がちゃんと相手に分かりやすく説明できているか自信がない。だから相手が分かっているか確認したい。」


という側面もあるのではと(勝手に)考えました。


そこで私は、バイトの電話対応で、相手が言っていることが分かりにくい時は


Excuse me, what do you mean by 〜 ? (〜のところには聞き取れた表現を用いる)


という表現を用いて、再度説明を求めることにしました。


この表現を用いることによって、


「説明が十分に理解できてないのは、(私の英語力が低いからではなく 、)あなたの説明の仕方が良くないからだ。〜という点をちゃんと説明し直してほしい。」


と、下手にでるのではなく、やや上から目線で質問することになります。


この質問の仕方は非常に効果的でした。

電話口の相手は


「自分の説明の仕方が良くなかったのだな。ちゃんと分かりやすく説明しよう」


という意識になり、再度、より丁寧に説明してくれるようになりました。


このバイト、大学院のクラスが始まって3週間くらいたったときに、授業準備の忙しさから、やめることも考えました。

ただ、先程書きましたように、私の留学の一番の目的は、英語のコミュニケーション能力の向上。


熟慮の末、週2−3回、毎回3−4時間働いていた受付のバイトを続けることにし、その結果、クラスの準備が犠牲になり、成績が下がってもしょうがないと判断しました。

(貧乏留学生であった私にとっては、時給6ドル強のバイト代がありがたかったという側面もありましたが)


実際に、大学院留学の最初のセメスターの私の成績は誇れるようなものではありませんでした。

しかし、限られた時間の中で、自分は何を優先すべきかを判断した上での結果であり、何の後悔もありません。


次回は、最初のセメスターのクラスを徐々に楽しめるようになってきた私。何が変わったのかについて書きます。

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