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Reading教材のパッセージを音読すべきか?

先日、受講生の方からいただいた学習法に関する相談の中にReading問題も音読している」と書いてありました。

 

その受講生の方のReadingスコアは20点前後、Listening15前後。

 

私からのアドバイスは、Readingでの音読は行わない方がいいでしょう。」

 

私はListening力向上のための学習法のひとつとしてListening問題の音読を勧めています。

 

しかし、なぜ、この受講生の方にはReading問題での音読を勧めなかったのか。

 

Reading問題には通常、音読のモデルとなる音声がありません。

また、Readingの文章はもともと声に出して読むことを前提として書かれていないため、文章が長くなることが多く、表現に慣れるのが難しいと言えます。

Readingパッセージ1つを「スラスラと意味を理解しながら『音読』できるようにする」にはかなり時間がかかるかもしれません。

それではなかなか進まないので、音読にかける時間を短くしようと、意味がちゃんと取れない状態のまま音読を行うと、十分に表現に慣れることができなくなってしまいます。

 

Readingパッセージの音読自体を誰にも勧めない」という訳ではありません。

 

Readingですでに25点以上を安定して取れるくらいの実力があり、Readingパッセージ内の単語の発音が問題なくできる方なら、Readingパッセージの音読から得られるものも多いでしょう。

 

しかし、まだそこまでの実力になっていない方には、まずはListening問題での音読をお勧めします。

Listening問題ならば、模範とすべき音を事前に聞いているので、問題音声をイメージしながら音読を行えば、音読がしやすいだけではなく、問題音声の発音・抑揚・スピードにより慣れることができます。

Listening問題の文はもともと声に出して読むことを意識して書かれているので、Readingのパッセージの文と比べるとさほど長くはなく、語彙も比較的平易なものが使われているため、表現に慣れやすいと言えます。

また表現の音声のインプットがある分、表現を記憶しやすいとも言えます。

 

Reading問題では、黙読で「意味を理解しながら、スラスラと読める」ようにすることを意識しましょう。

間違った問題、解答に自信のなかった問題の解法を確認した後、パッセージの単語や表現をチェックしたり、繰り返し読むことによって、パッセージを「意味を理解しながら、スラスラと読める」ようになれば、その問題は卒業。

次の問題に移りましょう。

 

音読をしないまでも、ひとつの問題にここまで取り組めば、それなりに時間がかかるはず。

しかし「スラスラと読めない」「分からない」ものをそのままにしていては、自分の実力は上がらないままになってしまいます。

 

あと、先ほど「Readingの文章はもともと声に出して読むことを前提として書かれていないため、文章が長くなることが多く、表現に慣れるのが難しい」と書きましたが、パッセージがついている単語本についても同様のことが言えます。

 

パッセージ付きの単語本の中には、パッセージの文が長めだったり、文法構造が複雑な文が多いため、パッセージを読み上げた音声を聞いてListening力強化したり、音読したりしても消化吸収しにくいものがあります。

 

そのような場合は、単語本を通してのListening力強化や音読まで手を出さずに、単語本のパッセージを黙読して「意味を理解しながら、スラスラ読める」ようになったら、OKとしましょう。

(パッセージの音声は、単語や文の発音の確認に使用すれば十分です。)

 

学習法の選択は、必ず自分の実力と相談すべき。

例えば、Readingパッセージの音読をしても、「時間がかかりすぎる」「行ってもあまり身になっていない気がする」なら、タスクのレベルを下げる。つまり、音読まですることなく、黙読でOKとする。

 

もちろん、自分の実力が上がれば、以前は消化吸収があまり期待できない学習法であったものが、最適な学習法に変わることはあります。

また、例えばReadingパッセージの音読においても、パッセージの難易度によって、やりやすさは全く異なるはずです。

 

学習法は、その実践を通して、実力の向上が実感できるものを選択しましょう。

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