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えっ!TOEFLが2種類になるの?8月から始まるTOEFL Essentialsってどんな試験? その1

2021.02.26

最近、TOEFL 試験を開発・運営しているETSが「8月から新たなバージョンのTOEFL試験、TOEFL  Essentialsを始める」と発表しました。

 

2019年8月にTOEFL iBTは、試験時間を短くするために問題の一部を削り、新しい形式になりましたが、その時はちょっとした変更にとどまり、大きく変わることはありませんでした。
ところが今回公表されたEssentialsは、詳細はまだ伝えられていないものの、iBT試験とは大きく異なることが分かっています。

 

つまり今年の8月以降、TOEFL試験を受けるなら、その大きく異なる2種類のTOEFLのどちらかを選んで受けることになります。
(大学生などが、学内での英語力測定や交換留学選抜のために受けるペーパー試験のTOEFL ITPもありますが、こちらは基本的にはその大学の学生以外は受けられないので、ここでは省いています)
TOEFL iBTが2005年に始まってから十数年が経過しますが、TOEFLは今年、大きな変化を遂げます。

 

今回は、TOEFL Essentialsがどんな試験なのか、現時点で分かっている大まかな点を伝えます。

 

TOEFL Essentialsについて知っておくべきこと(2月末の時点):

1.自宅での受験のみ(会場での受験はなし)
2.試験時間は1.5時間(iBTの半分!)早く答えられる短い問題が多い
3.受験料は100-120米ドル(iBTの半分以下!)
4.内容はアカデミックな英語が半分、generalな英語が半分(iBTはアカデミックのみ)
5.Reading、Listening、Speaking、Writingの4セクション(ここはiBTと同じ)
6.スコアは各セクション 1-12。全体のスコアも1-12(4セクションのスコアを平均したものになる?)
7.試験の最後に、採点されないが5分間で2問に対してビデオで回答(多分 2分 × 2問?)
8.問題サンプルはまだない(問題全体のセットがそろうのは多分5月くらい)
9.iBTとの換算表は5月初に発表予定

 

その他に、Essentialsでは問題がadaptiveになっている(問題の難易度が、その前の問題の出来によって変わる)などありますが、adaptiveに関しては次回の記事で詳しく書きます。

 

皆さんの一番の関心事は、出願先の大学・大学院がTOEFL Essentialsを認めるかどうか、かと思います。

 

英語圏の多くの大学がTOEFL Essentialsのスコアを認めるのは間違いないでしょう。
では、いわゆるトップ校と呼ばれる大学や大学院が認めるか、また日本の大学が認めるか?
最初は慎重なところが多いかもしれませんが、2-3年後までにほんとどの大学・大学院がEssentialsでの出願をOKとすると推測します。

 

そのように考える一番の理由は、TOEFL iBTを提供しているETSが、公式にiBTとEssentialsの換算表を発表するから。
両方の試験を作っているETSが公に同じレベルだと言っているスコアを認めない大学は多くはないと思います。
(ただEssentialsに対しては換算よりも高めのスコアを求めるところがあるかもしれません)
次回のブログ記事で書く予定ですが、TOEFL EssentialsはiBT試験が想定する対象よりも低い英語力の人もターゲットになっています。
よって、入試にTOEFLスコアを活用している日本の大学の中には、難しすぎるiBTよりもEssentialsの方が使い勝手いいと思うところもあるでしょう。

 

では今これを読んでいる人は、Essentialsに乗り換えたほうがいいか?

 

私の答えはNo。

 

現時点で、Essentialsの方がよいスコアを取りやすいかどうか分かりません。
これは始まってみないと分からないでしょう。
8月まで半年ほどあるので、今はTOEFL iBTの対策を進め、iBTでの目標スコア獲得に集中すべき。
そして8月にEssentialsが始まったとき、状況によってはEssentialsの方も受けてもいいでしょう。
そのとき、その人にとってEssentialsの方が目標スコアが取りやすいのであれば、その後乗り換えてもいいと思います。
iBT、EssentialsともにTOEFL試験なので、iBT試験の対策を通して高めた実力はEssentialsの方でも通用するはずです。

 

最後にひとこと。

 

皆さんは気づきましたかね。
Speakingが苦手な人にとっては、試験後に録画されるビデオ回答がおそらくは大切であると。
高スコアでも、ビデオ録画される採点されない回答がうまくいかなかった場合(言い換えれば、合否を判断する入学審査官によい印象を持たれなかったら)、合格を勝ち取るのが難しくなるかもしれません。
ビデオ回答は合否を判断する大学側にとっては非常に便利と言えます。
オンライン面接を行わずとも、その人がどれだけ英語を話せるのか、その人の英語がどれだけ分かりやすいかがだいたい把握できるので。
なので、特に英語圏の大学・大学院に出願する人の中には、ビデオ回答でのパフォーマンスを高める準備を、試験対策の一部に組み込む人も出てくると思います。

 

今回の記事には、私の推測が多く含まれています。
異なる予測をされた人は是非、Twitterやコメント欄でお知らせください!

 

次回の「その2」ではadaptiveについて書く予定です。
(多分、「その3」で「なぜETSはTOEFL Essentialsを始めたか」について書きます)

 

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