「独学で1年間、1日平均2時間くらいTOEFL対策を継続したがスコアがほとんど伸びなかった」を分析します。その2

2019-07-26

前回の記事

 

» 「独学で1年間、1日平均2時間くらいTOEFL対策を継続したがスコアがほとんど伸びなかった」を分析します。その1

 

の続きです。

Eさんが1年間、自分なりに工夫して学習してきたがスコアがあまりアップしなかった理由を考察します。

しかし、その前に皆さんにお伝えしたいのは、

 

Reading、Listeningセクションで10点台くらいのうちは、実力が向上してもスコアアップにつながらないことがよくある

 

ということ。

 

TOEFL Reading、Listeningでの10点台は45-65%くらいの正解率。

 

例えば、問題内容に対して50%くらいの理解度の人が、TOEFL対策によって60%の理解度になったとします。
でも60%の理解度になったとしても、40%は分からない状態。
そのくらいの実力だと、まだ問題によっては「何の話か全然分からない」というときも。
結果、実力が向上したにもかかわらず、スコアが下がるという事態も起こり得るのです。

 

よって、TOEFLスコア10点台くらいの人は、本試験のスコアだけではなく、普段の学習において「以前よりも理解できるようになっている」という感覚を大切にしてください。
「より分かるようになっている」と思えているなら、その先にスコアアップが待っています。

 

しかし「実力が向上している感覚」があって、いずれはスコアが上がるということであっても、成果が現れやすい学習、そうではない学習があります。

 

独学で1年間、2時間勉強したが伸びなかった理由 1

 

TOEFLスコアアップが達成しにくい学習のひとつは

 

1.「TOEFL試験とは大きく異なる内容・難易度の教材で学習している」

 

Eさんは

 

> 最初の4ヶ月くらいは大学受験向けの単語帳とリスニング教材を使っていました。

 

と大学入試対策のListening教材と単語本によるTOEFL対策を開始し、4ヶ月間もその取り組みに費やしました。

 

しかしながら、大学受験のための英語教材は、TOEFLとは大きく異なる英語試験で高得点獲得を目指す対策本であり、そこでの実力アップがTOEFLでのスコアアップにつながりにくいのです。

 

Eさんが取り組まれた「大学受験向けのリスニング教材」の名前は挙げませんが、その本のレビューには「センター試験レベルのリスニング練習にちょうどよい」という感想がありました。

 

このリスニング教材が、センター試験のものと同じ難易度あるとして想定して、センター試験のListening問題1題とTOEFL ListneingのConversation問題 1題を比べてみましょう。

 

以下、センター試験 平成30年度 リスニング問題 第4問B(最後の問題、Q23-25)

 

 

センター試験 英語 リスニング問題

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこちらがTOEFL本試験の過去問であるQuickPrep Vol.1のConversation問題。

「Quick Prepって何?」という方は以下を一読ください。

 

» TOEFL iBT Quick Prepって知っています?

 

 

最初のあたりだけでも是非聴き比べてください。

 

いかがでしょうか。ともにConversationの問題ですが、話すスピードがかなり違います。

数値にすると以下の通り。

 

時間 語数 1分あたりの語数
センター試験 2:11(131秒) 294語 134.6 wpm
QuickPrep* 2:28(148秒) 485語  196.6 wpm

*QuickPrepは冒頭の “Listen to a conversation between a student and a librarian.” を含めないで計測。

 

2つの会話のwpm(Words Per Minute:1分間に話される語数)は1.46倍の差となりました。
ちなみにTOEFLのConversation問題の多くは200 wpmくらい。
特にこの問題が速く話されている訳ではありません。

 

「1.46倍の差」は例えば、野球なら110キロと160キロのボール。
これって小学生ピッチャーのトップとダルビッシュや大谷翔平などのプロ野球トップとの差くらい。
このような例えは大げさではありますが、大きな差があるだけではなく、センター試験の方は「2回聞ける+選択肢を先に読める・読みながら聞ける」という手助けまであります。

 

問題内容の違いまではここでは触れませんが、簡単に比べられる話すスピードだけでもこれだけの差があります。
もちろん、速く話される英語の理解が難しいなら、スピードの遅いものから慣れていくのはよいことです。
とはいえ、大学入試のListening問題は内容の難易度は高くないので、TOEFL対策につなげるなら、話すスピードがTOEFLと同じくらい、または近いものでListening学習をした方がより効果的な取り組みになります。

 

「学習において基礎が大切である」のは当然のこと。
けれども、その基礎の内容が、先々取り組むTOEFL問題につながっていないと非効率な学習になってしまいます。

 

Eさんが使用したリスニング教材が実際にどのようなものであったかは分かりませんが、一般論として、大学入試の英語教材への取り組みがTOEFLスコアアップに繋がりにくいことはご理解いただきたいところです。

 

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